2007年6月14日木曜日

移住コンシェルジュ参上(その2)

そもそもなぜ自治体は団塊の世代の移住促進をするのか。
移住者を招き入れるメリットはなんだろうか。

ひとつの理由としては経済効果があるからという。
一組の団塊の世代が移住してくると生涯億単位のお金が地域に落ちるという理屈である。

しかし、負担も当然考えなくてはならない。
団塊の世代が仕事を引退して、自分の資産や年金で生活する場合は、確かに地域に落ちるお金もあるが、公共整備の必要性や医療保険負担などが増えていく事情もあろう。

また住民にとっても、この切り口(経済効果)から受益者意識をもつことは難しいだろう。
直接的な受益者は、家を建てるとしたら建築会社、不動産会社などになり、もちろん商店街なども受益者になるはずなのだが実感は持ちにくい。ましてや税収などの面も直接意識されることにはならないだろう。

だから経済効果については、それを全面に押し出しても住民にはピンとこない。
住民にピンとこないということは、移住促進については、あくまで行政がやっているだけの話で、住民には関係ない話で終わってしまうということになる。

また、こうした団塊の世代がはいってくることでの新ビジネスが創出されるという考えもある。

確かに可能性としてはある。実証実験では、お試し滞在の方達が滞在中に落とすお金は、月間数十万円以上にもなった。ただ、滞在中には友人や知人を呼び寄せて道内旅行をするなどの例もあるという興味深い報告もある一方、地元に落ちるお金はどれだけのものか。が、人が出入りすれば経済が動くのは間違いはない。

しかし、これもよほどの数の流入にならないと、これまた実感として移住者によってそのようになるという実感はわかないだろう。伊達市などは何百という団塊の世代が移住して来るという事態などは考えづらいわけで、それなら既存の地元の団塊の世代の方がずっと数としては多いのであるからニュービジネスは移住者には関係ない。
現実には季節移住などの新しいライフスタイルに関してのサービスの提供、あるいは移住者向けの情報提供に関わる不動産や広告にからめての若干のニュービジネスがイメージできるにとどまっている。

だが、移住者(定住/季節移住)が地域に多く入って来ると、何かが変わるのは確かだと思う。

伊達市は、ここ10年、15年で見ると、かなり変わったという。
昔は20年住んでいてもよそ者あつかい。よそ者が商売を始めてもつぶされる、などなど、保守的で有名なまちであったこのまちが、今こうして外に開く力を持ったということ。きっといろいろな意味で古き良きものと新しき良きものが融合しつつあるのだと確信している。

そしてこの融合が新しい時代の文化をつくる。

私は、このことが何よりも地域にとって一番有益なことではないかと思うのである。

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